Shostakovich ショスタコービチ / 交響曲第8番、第9番、第10番 キリル・ペトレンコ&ベルリン・フィル(2CD+BD) 【CD】 [79402500]

Shostakovich ショスタコービチ / 交響曲第8番、第9番、第10番 キリル・ペトレンコ&ベルリン・フィル(2CD+BD) 【CD】 [79402500]

販売価格: 9,010(税込)

在庫数 9枚

商品詳細


商品説明

メッセージ性の高い装丁で登場!
ショスタコーヴィチ:交響曲第8、9、10番
キリル・ペトレンコ&ベルリン・フィル

 収録情報
【CD】
Disc1
ショスタコーヴィチ:
1. 交響曲第8番ハ短調 Op.65(1943)
Disc2
2. 交響曲第9番変ホ長調 Op.70(1945)
3. 交響曲第10番ホ短調 Op.93(1953)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 キリル・ペトレンコ(指揮)
 録音時期:2020年11月13日(1)、2020年10月31日(2)、2021年10月29日(3)
 録音場所:ベルリン、フィルハーモニー
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
【Blu-ray Disc】
Video:
・上記全曲のコンサート映像(すべてHD映像)
・インタビュー映像(キリル・ペトレンコ 22分 字幕:英、独、日)
 画面:カラー、16:9、Full HD 1080/60i
 音声:2.0 PCM、7.1.4 Dolby Atmos
 収録時間(コンサート):152分
 Region All
Audio:
・上記全曲のロスレス・スタジオ・マスター音源の音声トラック
 2.0 PCM Stereo 24-bit / 96 kHz
 7.1.4 Dolby Atmos 24-bit / 48 kHz
◆ ダウンロード・コード
 この商品には、上記全曲のハイレゾ音源(24-bit / 96 kHz)をダウンロードするためのURLとそのパスワードが封入されています。
◆ デジタル・コンサートホール
 ベルリン・フィルの映像配信サービス「デジタル・コンサートホール」を7日間無料視聴できるチケット・コードが封入されています。(輸入元情報)
 輸入盤・日本語帯・解説付き
 装丁について
じっくり見ると驚かされる写真
アートの見方は自由なので、以下、筆者の感想を記しておきます。今回のセットで注目されるのがその装丁です。いつもながらの上質な仕上がりのブック仕様ということですが、外側にはなぜかロッカーの写真、内側には花の写真が使用されています。
しかし写真をよ~く見ると、表紙は精密につくられたロッカーの紙オブジェが大量に並べられたもので、内側の方はリアルに制作されたスミレなどの花部分の紙オブジェを生きた植物の上に巧みに配置したハイブリッドなものであることがわかります。
トーマス・デマントの作品
これらの写真はトーマス・デマントというドイツ人造形作家の作品で、デマントはこうした手間のかかる異化的な複製手法によって、社会や自然に関する独自のアートを展示したり写真集にしたりして高い評価を受けてきた人物です。
ロッカーとデマント
ロッカーはデマントお気に入りの題材で、色違いや角度違い、他作品との組み合わせのほか、形の違うものも発表しています。
今回の作品は、2018年に制作された「ロッカー」という作品の色違いヴァージョンですが、「ロッカー」が2018年に発表された際には、「残された時間の現在への攻撃」というキャプションが付されてもいました。
奇妙なキャプションの正体
なんとも思わせぶりな言葉の正体は、デマントと親しいドイツの映画監督、アレクサンダー・クルーゲが「ニュー・ジャーマン・シネマ」の旗手だった1985年に制作した西ドイツ映画「残された時間の現在への攻撃」のタイトルです。
わざわざ友人の映画のタイトルを引用したデマントには、何かを示唆する意図があるとも考えられることから、その映画の内容についても簡単に紹介しておきます。
「残された時間の現在への攻撃」
映画は12篇のエピソードで構成された113分のアンソロジーで、クルーゲ監督が音楽も学んだ人物ということもあってか、オペラ「トスカ」と「ファルスタッフ」に由来する話を最初と最後に置き、途中、時代も人物も様々な話が映し出されています。
クルーゲ監督はそこで、社会や人々の生活の多様さを描きながら、「永続的な時間の流れの中での、人の主観的な時間感覚」という「時間の二重性」についても示しています。
「時間の二重性」
「時間」の流れは止まることが無く永続的で無限です。しかし、一個人という存在にとっての「時間」とは、その一個人という存在が無くなるまでの「残された時間」でしかありませんし、さらに「一個人という存在が主観的に捉えた時間」が「現在」ということでもあります。
このことから、その人の思いや行動とは関係なく時間が経過していくことを、クルーゲ監督は「残された時間」の「現在」への攻撃と表現しており、そしてその攻撃(=経過)は抗いようの無いものだと言いたいかのようでもあります。つまりクロノスとカイロスの話です。
ロッカー・オブジェの意味
「ロッカー」のキャプションで示されていた映画の内容が、12篇のエピソードによって時間の二重性を表現したものであるということは、数多く並んだロッカーの存在には、それに準ずる意味があるようにも思えてきます。
しかも大量に並んでいるのは、紙でつくり直され、ロッカー本来の実用的な目的をいったんクリアにし、ロッカーの役割・存在を抽象化・時系列化し、概念化したものなのでなおさらです。
ロッカーの連続的な配置が時間の永続的な流れ(クロノス)を示唆し、個別のロッカーの扉の向こう側は主観的な時間(カイロス)やドキュメントであることが示唆されていると考えると、色々なことに当てはめることもできそうです。
フラワー・オブジェの意味
一方、フラワー・オブジェについては、生体植物と組み合わされている点が注目されるところです。オブジェでは生花の寿命や生殖機能がクリアにされ、純粋に美のための美的な存在と化しているわけですが、それを生体と組み合わせているあたりが、まるでアートとそれを支える存在(人や社会)との関りを示しているようでもあり、しかもその在り方の多様さが複数の事例で示されてもいます。
デマント(とクルーゲ)のメッセ―ジ?
最近はポジション・トークや扇情的な情報だらけで、何が本当なのか非常にわかりにくくなっていますが、事実や実際の数字を踏まえ、時系列的かつ論理的に物事を捉えて欲しいというのが、もしかしたら、デマント(とクルーゲ)のメッセ―ジなのかもしれません。
ロッカー・オブジェにしても、フラワー・オブジェにしても、アートとしての面白さだけでなく、いろいろなことを考えるヒントを提供してくれるのが嬉しいところです。ペトレンコ指揮ベルリン・フィルのショスタコーヴィチにふさわしい装丁です。
 時系列と表による対象把握
せっかくメッセージ性のある凝った装丁なので、セットの中身の音楽作品や、人物、団体などについても、時系列の表やリストといった切り口で取り上げてみます。

【作品&演奏情報】
ショスタコーヴィチの交響曲は20世紀作品ということもあり、楽器編成も大きく構造も複雑ですが、基本的には交響曲の伝統に則った作風なので、構成要素をある程度把握すれば鑑賞時の面白さも増して行く仕組みなのはベートーヴェンやマーラーの場合と同じと思われます。
ここでは、各作品の楽章ごとに、演奏時間を一般的な楽曲分析パターンに沿って時系列で区分し、デジタル・コンサート・ホールのラップ・タイムを記載、その横に、楽章冒頭タイムを[00:00]とした場合の変換時間をCD推測値として記載しておきます。
また、デジタル・コンサート・ホールの映像のメリットを生かして、各作品の実際の出演者を目視確認し、名簿としてまとめておきます。
◆ 交響曲第8番について
◆ 第8番こそレニングラード交響曲?
◆ タイム・テーブル
◆ 出演者リスト
◆ 交響曲第9番について
◆ タイム・テーブル
◆ 出演者リスト
◆ 交響曲第10番について
◆ タイム・テーブル
◆ 出演者リスト

【人物情報】
指揮者ペトレンコ、作曲者ショスタコーヴィチの年表を掲載するほか、ペトレンコと同じくシベリアと縁の深いショスタコーヴィチの曽祖父・祖父・両親についての簡易年表も掲載しておきます。
◆ キリル・ペトレンコ
◆ ショスタコーヴィチ・ファミリー前史
1800 1801 1802 1803 1804 1805 1806 1807 1808 1809 1810 1811 1812 1813 1814 1815 1816 1817 1818 1819 1820 1821 1822 1823 1824 1825 1826 1827 1828 1829 1830 1831 1832 1833 1834 1835 1836 1837 1838 1839 1840 1841 1842 1843 1844 1845 1846 1847 1848 1849 1850 1851 1852 1853 1854 1855 1856 1857 1858 1859 1860 1861 1862 1863 1864 1865 1866 1867 1868 1869 1870 1871 1872 1873 1874 1875 1876 1877 1878 1879 1880 1881 1882 1883 1884 1885 1886 1887 1888 1889 1890 1891 1892 1893 1894 1895 1896 1897 1898 1899 1900 1901 1902 1903 1904 1905
◆ ショスタコーヴィチ年表
1906 1907 1908 1909 1910 1911 1912 1913 1914 1915 1916 1917 1918 1919 1920 1921 1922 1923 1924 1925 1926 1927 1928 1929 1930 1931 1932 1933 1934 1935 1936 1937 1938 1939 1940 1941 1942 1943 1944 1945 1946 1947 1948 1949 1950 1951 1952 1953 1954 1955 1956 1957 1958 1959 1960 1961 1962 1963 1964 1965 1966 1967 1968 1969 1970 1971 1972 1973 1974 1975 
【団体情報】
ベルリン・フィルについては、ショスタコーヴィチの交響曲のCDや映像のリストを掲載しておきます。
◆ ベルリン・フィルのショスタコーヴィチ

 交響曲第8番について
第1楽章展開部最後のトルコ行進曲と再現部の凄絶なトゥッティ、およびそれに続くイングリッシュホルンの3分を超える長大なソロの部分が有名です(デジタル・コンサート・ホールで16:06~21:34。CDはおそらく15:19~20:47付近)。
これはレニングラード市民を死に追いやるドイツ軍をトルコ行進曲で描き、そのドイツ軍に対して1943年1月に大量の砲弾を撃ち込んだ赤軍のイスクラ作戦を描いたものとも見ることができ、戦闘後の虚無の中に響くイングリッシュホルン・ソロは、あまりの悲惨さに泣くこともできないレニングラード市民のようにも思えます。
この演奏ではドミニク・ヴォレンヴェーバーのソロが聴きものですが、途中328小節から335小節でクラリネットとオーボエが加わる部分(DCH 20:03~、CD 19:16~)でも、ダイナミクスは抑制気味で、空腹で声も出なかった状況に配慮しているかのようでもあり、その悲痛な美しさは忘れがたい印象を与えます。
実際、レニングラードがドイツ軍の攻撃から解放されるのは、1944年1月に赤軍がドイツ軍陣地に対して2時間30分で約50万発の砲弾を撃ち込んで無力化した作戦でのことなので、それまでは市民の苦難は続いており、それが戦時に書かれた交響曲第8番の悲しみや奇想に繋がっているとも考えられます。

Shostakovich ショスタコービチ / 交響曲第8番、第9番、第10番 キリル・ペトレンコ&ベルリン・フィル(2CD+BD) 【CD】



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